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不動産売却の実例|競売で落札された田舎の豪邸を売却

一般ユーザーが競売物件に手を出して痛い目に

私は競売市場以外からも仕入れ(買取)を行っており、その中には様々な物件が持ち込まれます。この物件は平成11年に一般エンドユーザーが不動産業者に勧められるまま競売市場から落札した物件でした。しかし購入したものの諸事情により利用することなく、手付かずのまま放置するはめに。結局転売を試みても売却できず、その後資金繰りに困り最終的に知人を介して当方に物件の買取を依頼してきました。

所在地佐賀県唐津市浜玉町
面積土地:2,114.33㎡ ・ 建物:245.47㎡
構造木造瓦葺2階建て
築年数平成4年6月
間取6LDK+駐車場
特長車庫有り(約2台分)、
唐津湾を望む絶景地、
別荘・アトリエ・保養地等に最適

超個性的な物件の値段の付け方

物件は、唐津湾を望む絶景地に位置する広大な敷地面積約640坪の風格のある邸宅です。地元業者の話によると建築当時、羽振りが良かった土建会社の社長が建てたもので、断崖絶壁に近い土地にお城のような頑強な擁壁工事を施してあるのもうなずけます。

私にこの物件の話があったのが平成16年の年末。それまでに多くの不動産業者が物件販売を試みていました。しかし中心部から離れ、住宅も疎らでとても流通性の低いエリアに立地しており、空家のまま放置されていた物件は約5年経過しており、傷みもひどく家屋の手入れが必要でした。

新築時の建築費と土地の取得費の合計金額は6,000万円位と推測されますが、現在の状況では立地と汎用性の低さで需要が低いので、2,000~2,500万円程度といった評価が地元業者の意見でした。

しかし見た目にもグレードの高い建物、同様の建物を建設した場合、2,500万円では建てることができないのは明白です。当方はこのエリアを気に入り、この物件の価値をわかる人がいれば3,000~3,500万円でも需要があると判断しました。現状の評価に改装費用を考慮して1,600万円の買取り価格を提示して、最終的に買取りをすることしました。このような特殊な不動産の価格を算定することは難しいのですが、当方は物件を買取る場合、「自分が住んでも良い」と思う物件であることを最終的な判断基準にしています。

販売のポイントと物件のコンセプト

この物件のポイントは、広大な敷地と高台にあるため海が見渡せる絶好のロケーション及びグレードの高い建物とその希少性です。そこで「ゆとりのあるスローライフな田舎生活を満喫できる物件」として販売コンセプトをたてました。販売活動の重要なポイントは、いかにこの物件の魅力を引き出し、どのようにしてお客様にアピールをするかという点です。様々な不動産業者が動いていながら売却に至らなかった事で、購買力の低い地元で広告を出しオープンハウスをしても、このエリアの反響は期待出来ない事は実証されていました。

しかし決して利便性の良い立地ではありませんが、福岡県と佐賀県を結ぶ浜玉有料道路沿いに見える場所に位置しており、福岡からの行楽客にはアピール出来そうです。そこで、ターゲットを購買力の低い佐賀ではなく福岡に絞った販売戦略を立てました。

ポイントを絞ったリフォームで物件を再生する

この物件は家屋が傷んでいたため、リフォームには力をいれ、屋根や瓦部分の修復、雨樋等の取替え、更に一部床のフローリング張替え等を行いました。また、庭の剪定や敷地の整備等、物件のポイントになるところにも手を加えました。これは全てお客様がこの物件を見たときに「ここに住んでみたい!」と思ってもらう為なのです。

より利益をあげるためには、リフォームの内容には手を抜かずにどこまでコストを抑えられるか、という点も大切なポイントになります。堤エステートでは、提携するリフォーム業者に業務を丸投げするのではなく、リフォーム範囲を細かく指示して数社から見積りを取りコストを軽減することで費用の支出(経費)を抑えています。魅力的な物件に再生する為にかかったリフォーム費用は、総額4,097,640円となりました。

販売のための広告戦略

次に物件のロケーションと魅力を視覚的に訴えるため、当方と仲介業者のホームページ上にて物件の特設HPを公開しました。単なる物件広告ページとしてだけでなく、見ていて居住の夢がひろがる提案を行うことで、物件の魅力をアピールします。同時に福岡県宅建協会HPふれんず等のサイトにも情報を掲載し、多くのお客様にアピールします。

このように堤エステートでは、インターネットを利用した広告活動も積極的に行っています。近年、物件を探す最初の手段としてインターネットを利用するお客様は増加しています。特に県外のお客様からの問合せは年々増加しています。

またインターネットによる物件広告は、物件の魅力を伝える表現は多彩なのに対し、費用はチラシや新聞広告等に比べて価格を抑えることができます。このようにお客様・不動産業者双方にとって大きなメリットがあるのです。

思わぬ落とし穴

物件の販売活動を本格的に始めたころ、平成17年3月20日に福岡県西方沖で発生した地震(M7.0)に見舞われました。そして物件も震度5程度の地震を受けてしまいました。

翌日、恐る恐る現地を確認に行くと、幸いにも建物本体は数枚の瓦が割れる程度と犬走りにクラックが少々入っている程度でした。しかし、井戸のポンプが破損して水が出なくなってしまいました。敷地から井戸のポンプまでの距離が約130mあり、修復には時間を要しましたが、地元の水道業者の力で無事修復を終えることが出来ました。全体の補修後、入念なチェックを行い再度販売活動を行なうことになりました。

しかし、地震による被害は一般ユーザーにとってネガティブな出来事です。震災の影響で福岡の新築マンションには次々とキャンセルが出ていました。この物件は断崖絶壁に建つ建物であるために、マイナス要因になることは明らかでした。しかし、当方にとっては大した被害がない状況に、かえって建物に対する信頼を深めることが出来たのです。さあ自信を持って販売活動再開です!

最終的にこの物件にかかった費用は以下のとおりです。

物件仕入費用16,000,000円
リフォーム費用等5,925,340円
登記費用329,100円
不動産取得税607,400円
合計22,861,840円

堤エステートでは値交渉を加味して3,380万円に販売価格を設定しました。

予想通りスローライフを望む福岡のお客様

そして私の狙い通りホームページをきっかけに、多くのお客様から問合せがありました。最終的な購入希望者は、田舎暮らしを希望する福岡在住の大学教授で、本物件を大変気に入っていただきました。若干の値交渉はありましたが、想定内の価格で話はすぐにまとまりました。そして平成17年6月に売却となりました。

最終的に3,000万円での売買契約となりました。


当方としてもやりがいのあったこの物件。他業者も販売することができなかった物件を、自分自身で「居住してもいいかな…?」思えるような気持ちになれれば、自然に価値ある物件として再生させることができるのではないでしょうか?

このようにこれからの不動産販売に必要なのはプロデュース能力だと考えます。ただ売るだけではなく「お客様が望むものは何なのか?」ということを考えながら、見向きもされなかった物件の魅力を引き出しプロデュースをすることで、お客様にイメージを膨らませてもらい、最終的に満足をしていただく不動産購入へとつなげていくのです。

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