任意売却の実例|四国松山でお狸様に頼まれた

旅の途中でたどり着いた小さな神社の信者さんの物件を任意売却したおとぎ話のような実例。信仰心、先祖を想い大事にする心、そして偶然が生む人とのつながりを教えてくれました。

お袖さんとの出会いはテレビの番組

私が八股榎お袖大明神とお袖さんを知ったのは、NHK松山放送局が制作・放映したドキュメント20min.という “たぬきざんまい” というドキュメンタリー番組でした。

ドキュメント20min.たぬきざんまい

放映されたのは平成23年1月17日の深夜。たまたま一人で見たのですが、お袖さんにまつわる、あたたかい話にとても興味を持ちました。通常私は映画やテレビ番組など、繰り返し見ることはありません。しかしこの番組には何かを感じたのでしょうか。何度も何度も見返していました。

私は今まで四国にはほとんど行ったことがありませんでした。でもこの番組を見て、いつかは訪れてみたい場所になりました。

初めて会ったお袖さんは優しい顔をしていた

私は毎年GWにバイクで日本各地を巡る男旅と命名した旅をしていました。平成23年の旅は、高野山・伊勢神宮・被災地である石巻・戸隠神社を周る行程でした。そして最終地点は四国の八股榎お袖大明神で締めくる予定でした。しかしそれまでの行程で予想外に時間がかかったためお袖さん参りは次回に…ということになったです。

しかし旅の最終日、やっぱり男たるもの初志貫徹しなければならないのでは?ということで、やっぱりお袖さんに会いに行くことになりました。(正直言うと、一緒に旅する友人との男の意地の張り合い…ということもありました)

バイクで全国を巡る旅

四国に向かう道は快晴でとても気持ちよく、やっぱり四国を目指して良かったな!と思ったものです。友人と松山に到着したのは夜でした。地図を頼りに八股榎お袖大明神を探しますが、よく分かりません。通りすがりの人に聞いても、よく分からないようです。松山の人もあまりよく知らないのかな?

時刻はちょうど20:00、ようやくたどり着いた八股榎お袖大明神は、松山市役所の真ん前で松山城のお堀のそばにひっそり佇む小さな祠でした。テレビで何度も見た八股榎お袖大明神です。階段を下りて行くと小さなお社と祠があります。そして祠の中から、お袖さんが私を見下ろしています。

松山市役所の目の前にある小さな神社・八股榎お袖対明神
松山市役所の目の前にある小さな神社に到着したのは夜でした

一般的に夜の神社参拝はしてはいけない…と言われています。しかし、街中にひっそり佇むこの空間は、何だか心休まる温かい雰囲気を感じます。『いらっしゃい、よく来たね』お袖さんがそんな風に言ってくれているような気がしました。御神木である榎に抱きつくと旅の疲れも癒されます。

『はじめましてお袖さん、明日の朝、改めて参拝いたします』

↓初めてお袖さんに会ったときのブログ
TAKE BLOG 2011日本横断、男旅/速報その7

次の日、天気の良い朝に再度お会いしたお袖さんは清々しく、昨晩とはまた違った雰囲気でした。たまたま朝のお参りをされていた信者の方といろいろお話をすることができました。その信者の方にテレビで紹介されていた、現在お袖さんを守っている田中喜子さんについてお聞きすると、喜子さんはご高齢のため毎日は来られないけれど、月に1回行われる月並祭には必ず参加される…とのことでした。

お会いできないのは残念。また次の機会にでも、そんな気持ちで帰路についたのでした。

↓次の日の朝、再度お袖さんを訪問した時のブログ
TAKE BLOG 2011日本横断、男旅/速報その8

再び、お袖さんに会いにいく

旅から帰ると日常の生活に戻ります。家族や友人、事務所に来られるお客様など、いろいろな人に男旅の話をします。そして松山の話になると、なぜここに行ったのか理由を説明するために、必然的にNHKでお袖さんを紹介した番組を見てもらうことに。その頃私の頭の中には、あの小さな祠で出会ったお袖さんがいつもいることに気が付きました。

お袖さんを守っている田中喜子さんにもお会いしたいな。そうだ、秋にもう一度松山に行こう!今度は田中喜子さんとお会いできるように、10月8日に行われる月並祭に合わせて松山を訪れることにしました。

そして10月。今回の旅も、先日一緒に旅した友人と行く予定でしたが、友人の都合が悪くなったため、急遽、妻を連れていくことにしました。妻は先祖が四国出身。先祖に想いを馳せながら縁の地を探す旅をするのも良いと思ったのです。

もちろん今回の旅もバイクで移動します。秋晴れの快晴の中、妻の縁の地を訪ねながら松山を目指します。そして松山に到着したのはまたしても夜。まずはお袖さんのところへご挨拶。5月同様、八股榎お袖大明神の小さな空間は、街の喧騒の中、心休まる温かい空気を感じます。

夜の神社でご挨拶


↓お袖さんに再び会った時のブログ
TAKE BLOG 四国松山でお袖さんに再び会う旅-No.1

そして翌日も快晴。11時から始まる月並祭に、信者の方が続々と集まってきます。その中に、田中喜子さんを発見します!

「TVで見たおばあちゃんだ!!」

TVでみたおばあちゃんと初対面

月並祭が終わると先日お会いした信者の方のご紹介で、田中喜子さんとお話させていただけました。

↓月並祭に参加した時のブログ
TAKE BLOG 四国松山でお袖さんに再び会う旅-No.2

小さな社務所で向かい合った田中喜子さんは、小柄なかわいらしいおばあさん、ちょっとお袖さんに似ているような…、そんな印象です。田中喜子さんは、福岡からバイクできた(いかつい)私たちをみて、きっと不思議に思ったことでしょう。『何か悩みでもあるの?』と聞かれましたが、悩みは特にありません。ただTVを見てここを訪れたくなり、田中喜子さんにもお会いしたかった旨を伝えます。

私の職業を聞かれたので「不動産業です」と答えます。すると喜子さん少し考えて「実は信者さんの中に不動産のことで困っている人がいる。話を聞いてもらえないか?」と言われます。

お袖さんの縁から松山で仕事をすることに

私は、仕事をしている地域が違うのでどうなんだろう?でもまぁ私の客観的な意見がお役に立てるならば…、という感じでお話を聞くことに。そこで紹介された信者さんからお話を聞くと、偶然にも私の専門分野である不良債権処理と任意売却の話でした。

更に話を紐解いていくと、その信者さんは不動産業者に翻弄されている模様です。このままでは競売になってしまうため、売却依頼をしている業者からは、早期売却を勧められているとのこと。しかし提示されている売却金額は相場より著しく安く、売主である信者さんは、とても不安を抱えていたのです。そしてその業者から紹介されている買主は、なんと、私も良く知っている福岡の業者だったのです!

お袖さんの所で、よく知る業者の名前を聞くとは本当に驚きです。これも何かの縁…と思い、まずはその物件を拝見させてもらいます。物件は松山市内の高級住宅街にある希少価値の高い一戸建てです。そしてここは、ほとんど売り物件が出ない地域とのこと。私は直感的に、業者が大きな利益を得るために、この物件を安く売却させたいと思っている図が浮かびました。

立派な日本家屋のお住まい

信者さんはこの一連の問題で悩んでおり、その事を田中喜子さんもとても心配していらっしゃいました。そこでこの問題が早く解決するようにと、皆でお袖さんにお祈りをしていたとのことでした。

そこへ私が登場したのです。福岡の業者とはいえ今回の案件は私の専門分野でもあり、福岡の業者も絡んでいる…。まるでお袖さんからも頼まれているような気がしてきます。こんな不思議なこともあるのだな、もし私で力になれるのなら頑張ってみるか…。こうして私は、お袖さんが縁で松山で仕事をすることになったのです。

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お袖パワーを体感する様々な出来事が

福岡に戻り今回の案件を整理しながら相場を調べます。更に売主である信者さんと電話で打合せしながら、地元の協力してもらえる不動産業者を探し、売主さんにメリットのある売却ができるように組立をします。

そして11月。物件の調査ともろもろの手続をするために、前回行くことができなかった友人と共にバイクで松山を再訪します。この時は年に一度の大祭に合わせて訪問しました。田中喜子さんをはじめ、皆様、歓迎していただき、太鼓なども叩かせていただきました。もちろん、仕事も進めていきます。債権者とも打ち合わせをして、正式に物件の売却をスタートさせます。とにかく八股榎お袖大明神のご縁で始まったこの仕事。頑張らなくては!!

太鼓をたたく喜子さん

更に前回同様、この旅でも不思議なことが起こります。福岡への帰り道、SAで友人を休憩中に、その友人の携帯に今回の買主である業者の担当者から電話がかかってきました。何でも私が今回の取引で間に入ったことを聞いて、詳細を聞こうと友人に連絡が入った模様です。友人はその担当者から『今、どこですか?』と聞かれ、松山からの帰りでSAで休憩中と言うと、偶然にもその担当者も遠方に行っていて、なんと!同じSAで休憩中とのこと!! 同じ時間に同じSAに居るとは驚きです。こんな偶然ってあるんでしょうか?

お袖さんイラスト

この頃から、もしかして私は、あのNHKの番組を通して皆様の祈願を受け取ったのではないだろうか?お袖さんから呼ばれたのではないだろうか??そんな風に感じはじめていました。そして妻からは「最近、狸に似てきた」と言われる始末。なんでも大きな尻尾があるようにみえるとのこと…。(本当か??)

お堀から新たなる狸像が発見?!

この頃、お袖さんに大変なことが起こります。なんと祠に祀ってあったお袖さんの神像が、何者かにお袖さんが持ち去られたとのこと!お袖さん盗難事件勃発です!!電話でこの話を聞いたとき、不安げなお袖さんの姿が頭に浮かびました。いったい誰がそんな罰当たりなことを…。

お袖さんが消えた祠

年が明けて1月、依然としてお袖さんは行方不明のままです。そんな中、仕事始め早々に松山の業者より物件案内の問合せがありました。今まで物件の案内は地元の協力業者にお願いするのですが、直感的に脈のあるお客様と感じた私。すぐに自らが案内をすることを決め松山を訪れます。そして私の渾身の営業により、契約の運びになりました。最終的に売主さんにご相談いただいたときの売却金額より3割程高い金額で無事売却ができたのです。これもお袖さんの御利益でしょうか?

無事、売却に至りました

このときにお袖さん盗難事件の詳細を聞きます。心無い誰かに持ち去られたと思われるお袖さん…。もしかしてお城のお堀に投げ込まれたのかもしれない。ということでお堀の捜査も行われたところ、なんと!

驚くことにお堀から新たな狸像が発見!!

お袖さんの身代わりとして現れたのかどうなのか、信者の方はとても悩んだそうです。私は、まだ祠の中には入れてもらえない狸さんとご対面しました。

祠の中に入れてもらえない新しい狸
祠の中には入れてもらえませんが、一応お供え物が…

以前のお狸さんとはテイストが違いますが、私にはかわいい狸に見えました。しかし発見された時はヘドロにまみれ、とても怖い様相だったとのこと。そこで田中喜子さんがこの狸像と真剣に向き合って話をしたそうです。すると狸は決して悪さはしないとのこと。ならばお前を受け入れることにしよう!

そう、田中喜子さんは狸と話をしたのです。これは間違いのない事実なのです。私は今回、お城のお堀から新たな狸像が出てきた時点で、この八股お袖大明神には何かある!とはっきり確信しました。そして間違いなく私はお袖さんに呼ばれたのだと。

お袖さんに教えていただいこと

2月になりました。このお袖さんがつないだ縁によって始まった物件の売買は、無事決済の運びとなりました。皆様にはとても喜んでいただき、私にとってもやりがいのある仕事でした。売主の信者さんや田中喜子さんが、この不動産の問題の解決をお袖さんに祈願していたところ、私が登場して売却に至った今回の案件。もしかしたら皆様の祈願の念が、テレビを通して私に通じたのかもしれません。いや、きっとそうだ!

更にお袖さんに会う前に妻の先祖を訪ねたことも、先祖供養を大事に想う八股榎お袖大明神に見込まれたのかもしれません。

この松山の仕事では、普段の取引では経験できないことが多々ありました。信仰を深め、先祖や他者を思いやる気持ちを感じさせていただいたこの気持ちを、私もお袖さんにお返ししたくなりました。どのような形でお返しするのがいいか考えました。

そこで思いついたのが、お社周辺の整備です。八股榎お袖大明神の周辺は、道路より下がった場所にあるため、ご高齢の方には危険な面もあります。整備をして危なくないような工事を施したらどうだろう?そう考えて、この取引で得た利益の中から、お社周辺の整備をするための工事費用を寄付させていただくことにしました。

この申し出に、田中喜子さんや信者の方にはとても喜んでいただけました。もちろん、お袖さんにも喜んでもらっていると思います。

八股榎お袖大明神の前で
八股榎お袖大明神の前で

工事は平成24年夏に完了しました。そして寄付のお礼にと、田中喜子さんが私の名前の入った幟を作ってお社周辺に立てたいと言っていただきました。なんだか恥ずかしくもあり、とてもうれしく思います。ありがとうございます 。

田中喜子さんは平成29年に天寿を全うされました。最初にお会いしたときから定期的にお会いして、親戚のようなお付き合いをさせていただきました。現在も八股榎お袖大明神を護られているご親族の方や六角堂の住職とお付き合いをさせていただいております。

全国で行う不動産取引

堤エステートではこのような遠隔地での案件も承っております。ここ最近多いのは、相続物件のご相談です。もちろん現地の不動産価格は地元の業者さんと協力しながら実務を行っていきます。

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