住宅ローンの基礎知識―フラット35について
堤エステートはフラット35をおススメします
フラット35は住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が民間金融機関と提携して供給している長期固定金利型の住宅ローンです。フラット35のHPをみると分かるのですが、キャッチコピーは『金利の変わらない住宅ローン』です。
フラット35の特徴は、最長35年間の長期固定金利で、適用金利は融資実行時の金利となります。その他、保証料・連帯保証人ともに不要、団体信用生命保険の加入は任意、繰上返済手数料無料なども大きな特徴です。
→フラット35の詳しい説明はこちらから
平成28年8月にはマイナス金利の影響から借入金利が0.900%に!金利の底となりました。その後平成30年11月には金利が1.450%まで上昇して、平成31年4月の金利は1.270となっています。
→フラット35借入金利の推移はこちら(フラット35サイトにリンク)
フラット35のメリット・デメリット
フラット35の大きな魅力は、金利が全期間固定ということ。つまり、将来にわたる返済計画が明確になります。低金利時代の現在、日本の経済状況などから考えると今後金利の上昇が予想されます。その時に安心なのが固定金利のフラット35といえます。
また、年収や勤続年数に条件がないのも大きな特徴といえます。もちろん融資のための審査がありますので、問題がある場合は融資が受けられません。しかし一般金融機関では年収や勤続年数に条件がありますので、融資審査の土俵にも乗らないということはありません。
ではフラット35のデメリットは何でしょうか?それは自己資金が必要なところ。
金融機関による住宅ローンでは、諸費用を含めた融資が可能になりますが、フラット35では諸費用は融資金額に含まれません。またフラット35(買取型)では物件価格の90%までしか融資がされず10%は自己資金が必要です。物件価格100%を融資してもらうにはフラット35(保証型)という選択肢もありますが、金利が高くなります。このことから自己資金が全くない方はフラット35を申し込むことができません。
さらに金利の下がるフラット35S
平成22年2月15日から始まった、耐震性やバリアフリー性に優れている住宅に対して適応されるフラット35Sは、一旦、平成23年9月30日までのお申込み分で終了しました。しかし再度フラット35Sが復活しました。
フラット35Sとは、省エネルギー・耐震性などに優れた技術基準を持つ住宅を取得される場合に借入金額を一定期間引き下げる制度です。フラット35Sにも『金利Aプラン』と『金利Bプラン』があり、それぞれ求められる技術基準が違います。
当初10年間に金利が年0.3%引き下げられる『金利Aプラン』の方が、当初5年間に金利が年0.3%引き下げられる『金利Bプラン』より厳しい技術基準を求められます。
フラット35Sには予算金額があり、予算金額に達する見込みとなった場合は受付が終了になります。またフラット35Sを利用するには、技術基準が適合することを証明するために、検査機関による物件検査を受けて適合証明書が交付される必要があります。
引き続き利用可能になった、とても魅力的なフラット35S。当社でも平成22年・23年度は多くのお客様にフラット35Sをオススメし、35年固定の低金利で物件をご購入いただきました。(
フラット35と金融機関の住宅ローンを比較
ではフラット35と福岡の代表的な金融機関:福岡銀行と総合的に比較をしてみましょう。
フラット35 | 福岡銀行 | |
融資限度額 | 購入する物件価格の90%以内(諸費用は含まれない) | 諸費用まで含めた融資が可能 |
保証料 | 0円 | 100万円あたり21,033円 (35年払いの場合) |
事務手数料 | 代理店によって違う | 一律、52,500円 |
年収 | 条件なし | 税込250万円以上 |
勤続年数 | 条件なし | 1年以上 |
返済比率 | 年収400万円未満は30%以下 年収400万円以上は35%以下 | 年収に応じて20~35%以下が多く、40%以下の場合も有 |
団体信用生命保険料 | 1,000万円あたり35,800円 | 金利に含まれる |
金利 | 全期間固定 金利が変わらない住宅ローン | 金利は選択型 |
フラット35の注意点
窓口となる金融機関によって金利が違います
フラット35は民間金融機関が窓口となり借入をすることができる商品です。2019年4月時点での取扱金融機関は328件です。
ここで注意しなくてはいけないのは、取扱金融窓口をどこにするかです。フラット35の商品内容はどこも同じですが、適用金利と事務手数料は各窓口となる金融機関によって異なります。各金融機関を比較しながら借入窓口を選定することが必要です。
では取扱金融機関による変わる支払額を比較してみましょう。2019年4月時点、返済期間は35年、借入額は2,000万円で試算しました。
福岡銀行
西日本シティ銀行
フラット35/代理店:ファミリーライフサービス
この一覧でみると、借入:2,000万円/35年払と同じ条件でも窓口や支払タイプによって大きな差が出ます!
これらのデータをみると、いかに金融機関の選択によって総支払額に差が出るかお分かりいただけると思います。
実は、総合的にみて金利と融資事務手数料が一番安いのは楽天銀行です。こちらは、お申込みは全てご自身で行わなくてはいけません。→詳しくはこちら
また、上記の表で総支払額が一番低いのは、西日本シティ銀行の手数料定率:元金均等払のパターンです。しかし西日本シティ銀行のフラット35では、住宅ローンを本当に利用することができるかどうか審査を行う『事前審査』ができません。ということは、住宅ローンの融資ができるかどうか確かめることができないまま、物件の契約をして(物件の契約をしないと住宅ローンは申し込めません)申込みをしなくてはいけないので、購入に際してのリスクが高まります。
このように金利だけでなく、手続も各金融機関によって差があるので、住宅ローンを申し込む金融機関は慎重に選択しなくてはいけません。
住宅ローンは低金利で借入ができますが、選択によって支払総額をみると大きな差がでます。大切な資産を守るため、業者や金融機関の言いなりならず、ご自身でもよく検討された上で借入をしましょう。