住宅ローンの基礎知識―金利タイプのメリット・デメリット

毎月の返済額を決めるのは借入金額・借入期間・金利の3つです。金利が低いほど返済負担が軽くなるので、皆さんできるだけ金利の低いローンを借りたいと思われます。

しかし、金利はずっと同じとは限りません。そこで重要となるのが金利タイプの選択です。

住宅ローンの金利は3タイプ

住宅ローンの金利タイプは、固定金利型固定期間選択型変動金利型
3つに分けられます。

固定金利型固定期間選択型固定期間選択型



当初の金利が返済終了まで適用される一定期間、当初金利が適用される。期間終了後は変動金利になるが、改めて固定期間を選択することも可能半年毎に金利が見直し。5年ごとに毎月返済額が変わる



借りたい時点で毎月の返済額が確定するため、計画が立てやすい固定金利型より金利が低いことが多く、毎月の返済額が抑えられる低金利が続けば返済額が少なくてすむ




変動金利型に比べて金利が高い。金利が下がっても借り換えない限り、金利低下のメリットがない期間終了時に金利が上がっていると毎月の返済額が大きく増える可能性がある金利が上昇すると元本の返済が進まず、場合によっては未払い利息が発生するリスクも

一般的に金利を固定する期間が長いほど金利は高くなり、2006年以降は変動金利型の金利がもっとも低くなっています。

しかし低金利がいつまで続くかわかりません。変動金利型や固定期間金利型を選択する場合は、金利が上がったときに毎月の返済額がいくら増えるかを試算しておきたいものです。

それぞれの金利タイプの特長

固定金利型

金利変動に左右されず最も安心なのは全期間固定金利ですが、もともとの金利が他のタイプより高いというデメリットもあります。

固定期間選択型

固定期間選択型は期間が終了したときに金利が上がっていると毎月の返済額が一気に増えてしまいます。

固定期間選択型なら10年以上の固定が望ましいでしょう。例え10年後に金利が上っていても10年間で返済が進んで元本が減っているので返済額が大きく上昇するリスクを抑えられます。

変動金利型

変動金利型は5年ごとに返済額が見直されますが、どんなに金利が上っても返済額は1.25倍までしか増えません。金利の見直しは半年ごとなので、5年間に金利が上昇すると、毎月の返済額のうち利息の返済に回る割合が増え、元本の返済が進まなくなります。そして5年目以降、本来なら1.25倍以上の返済が必要なのに、実際は1.25倍までしか返済されないので、その差額が未払い利息として、新たな借金になる可能性もあります。

当面は変動金利型にして、金利が上りそうになったら固定金利に借り換える方法もありますが、いざ借り換えようとしたときに、固定型の金利が上っていることも考えられます。また借り換えには手数料も発生してしまいます。

これらの事を踏まえて、購入されるお客様が一番悩まれるのが、どの金利タイプの住宅ローンを選択するかです。「どれが一番お勧めですか?」と聞かれますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

また将来の金利上昇については誰もわかりません。したがって当社ではお客様が一番優先したいご希望やライフプランを加味し、様々なパターンをご説明をした上で、最終的にはお客様に決定していただきます。

一番良いのは家計をやりくりしつつ、繰り上げ返済行いながら元本を減らしていくことが、金利上昇リスクへの最も現実的な対処法と思います。

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