堤エステートの不動産時事放談|驚愕!マンション管理の闇が現実に!
先日、【パトふれくん】のためのルーティンワークであるふれんずパトロールをしていたところ、物件情報に不思議なコメントを見つけました。
物件は福岡市東区のタワーマンションエリアにある2019年築の築浅タワーマンションです。物件情報には『6億円の大規模修繕を竹中工務店が無償で工事中』と記載されており、『売買金額も市場価格より低く設定しております』と書いてあります。
「スーパーゼネコンの竹中工務店が無償で工事をするなんて何か施工不良が発覚したのかな?」と思い調査したところ、大変な事実がスクープされていました。
管理会社が逃げ出したタワマン
詳細は下記ニュースサイト・福岡県民新聞の記事を見ていただきたいのですが、要は管理会社と管理組合の理事長・副理事長による対立により管理会社が撤退してしまい、築浅で283戸もあるタワーマンションとしては異例の『自主管理』が行われているのです。
記事によると、自主管理後の管理組合は元理事長だった人物が現在は顧問として影響力を持ち権力が集中した管理体制になっているようです。その顧問はスーパーゼネコンである竹中組から外壁塗装の再施工などをさせているようで、それだけだったらなかなかの手腕の持ち主ということですが、それだけではない大きな問題点が指摘されています。詳細はぜひ記事をご覧ください。
昨年11月の弊社記事で、福岡市中央区の高級タワーマンションを管理していた会社が、管理組合の理事長・副理事長による嫌がらせ、いわゆるカスハラに耐えかねて撤退したと報じた….
福岡県民新聞
さらにいろいろ調べていくと、マンションのクチコミサイトにこの問題となっている件が書き込まれていました。住民からの書き込みと思われるものもあり問題の根深さを感じます。合わせてご覧ください。
福岡・九州・沖縄の新築分譲マンション掲示板「センターマークスタワーについて」
アイランドシティ センターマークスタワーについての情報を希望しています。複合開発の大規模マンションで、気になっています。将来性や資産価値などはどうでしょうか。価格も気になっています。益々便利になって、生活しやすくなるといいですね。どうでしょうか?[スレ作成日時]2017-04-20….
マンションコミュニティ
私は別に管理会社さえいれば管理が万全とは思いません。意識の高い住民がいることで管理会社も襟を正し、良質な管理が行われてるマンションも存在します。そんなマンションは築年が経っても資産価値を維持しているものあります。しかしモンスターのような一部の人によって他の住民が押し黙り、好きなように管理が行われるマンションは大いに問題です。
嫌がらせで管理会社が撤退
上記記事を読み進めていくとさらにもう1件、同様な物件があること記事内のリンクでを知りました。こちらも管理組合の理事長と副理事長のカスタマーハラスメントによって管理会社が撤退をするとの記載があります。
詳細は同じニュースサイト・福岡県民新聞の記事をご覧ください。
財閥系グループの企業が企画・設計・販売をし、管理もしていた福岡市中央区の高級タワーマンションが揺れている。同マンションは完成して4年が経とうとしているが、管理組合の幹部によるカスタマーハラスメントが原因で 管理会社が撤退したというのだ….
福岡県民新聞
この内容もなかなかのモノ…。こちらのマンションはPayPayドームの目の前にある築数年しか経っていない、2棟合わせて584戸の大型タワーマンションです。記事は2023年11月のものであり、現状どうなっているかは分かりませんが、管理会社は記事に記載されているように分譲会社のグループ管理会社から変わっているようです。
記事を読むと管理組合の一部の人の関係企業に管理が委託されているようです。他にも多数の住民がいるはずなので、そのような自分たちの都合の良いようにできるものなのでしょうか?
私が住民だったら猛抗議しますけどね…。
売却するときにも困る
このようなマンションを購入してしまうと住民にも不安感や対立構造が生まれやすくなります。別の場所に移転するため売却しようとしても、既に記事になったりクチコミが残っていたりすると、それを知った買い客は購入に二の足を踏むでしょう。
仲介業者もこの事実を知ると、知らないふりをして営業することはできません。知り得たことを隠して売るのは仲介業者として責任を問われます。仮に売却できても入居後、事実を知った買い客からクレームがでるリスクもあります。
実際にこの1つ目の事例で出したマンションは、多くの部屋が中古マンションとして販売中です。【パトふれくん】でピックアップした物件も業者売主の物件であり、売買価格を市場価格より安く設定している理由も分かるような気がします。
↓下記【パトふれくん】が該当マンションをピックアップしたときのものです
マンションは住民と共に維持管理を行うもの
これら記事を読むと改めてマンションの難しさを感じます。今までは築年数の古いマンションを事例として修繕積立金問題や建て替え問題などから見るマンションの闇をお伝えしてきましたが、今回は間違った住民パワーによる管理運営の事例です。
それも築古の総戸数が少ないマンションではなく、上場企業の大型プロジェクトにより完成した大型タワーマンションで起きたことです。
マンションは買って終わりではありません。建物や居住するための維持管理は、マンションに住んでいる住民と共に行っていかなくてはいけません。日々の管理業務から大規模修繕の資金調達など、運営には多大なパワーが必要です。
もちろん必ずしも大手の管理会社が安心という訳ではありません。実際に2つ目の事例の分譲会社グループの管理会社はクチコミよると対応に難があった部分もあるようです。
しかしタワーマンションの維持管理は未知数です。特にひとつ目の事例のように自主管理だとノウハウもなく不安を感じます。
そして難しいのはマンションの住民や管理運営については住んでみないと分からないことです。私もマンションの隣人や上階層の人に悩まされている方からのご相談も多数受けてきました。
マンションだけでなく戸建てにも隣人トラブルは存在します。しかし戸建ての維持管理は自分の裁量で行えますが、マンションは住民の合意が必要になります。そのことを知ったうえでマンションの購入をするべきです。
自分で調べる
このようなことから不動産を購入する人はご自身でいろいろと調べなくてはいけないのです。当社の会員様には気になる物件があった時は朝昼晩に物件周辺の環境をチェックするよう伝えます。また近隣の人やマンションの住民に声を掛け、住み心地などを聞いてもらいます。
実際に会員様は近所の人に声をかけて、そこに住む人しか知り得ない情報を教えてもらい、物件購入を決断された事例もあります。営業をする不動産屋は仲介する物件に住んだことはありません。仲介手数料を得るためにはその物件を売らないといけないので、都合の悪いことを言いたくない業者もたくさんいることを知って下さい。
現在はインターネットで調べるといろいろなことが分かります。今回の問題も【パトふれくん】でピックアップした情報も文言を不思議に思い調べたのが始まりです。
誰かに全面的に頼ることなく、まず自分で調べる。そして一番重要なのは信頼できる業者を選ぶことに尽きるのではないでしょうか。
マンションとメディアの闇
いままで【不動産時事放談】では様々なマンションならではの問題点をお伝えしてきました。
今回の管理運営に関する問題は、福岡のネットニュースに物件の特定が可能な詳細な内容が掲載されていました。しかしこの記事以外、どこもこのニュースをこのことは取り扱っていません。
メディアは広告収入によって成り立っています。特定の企業やマンション分譲会社にとって都合の悪いものは取り上げなかったり、記事がいつの間にか消えてしまったりすることも多々あります。今回、取り上げた記事も消えるかもしれません。
とにかくメディアが問題です。不動産業界だけでなく政治や経済に関しても都合の悪いことはもみ消し、問題提起もせず人々に知らせないようにして、扇動したいことは集中的に取り上げ人々を動かしています。メディアが一斉に同じことを報じたら疑問に思うべきです。
下記Youtubeはメディアがダメな点を突いています。兵庫県斎藤知事のことを取り上げつつメディアの本質を解説していますのでぜひご覧ください。
今回、物件情報から驚きのマンションの闇にたどり着き、そのことをほとんど報じないメディアに対する不信を感じています。
引き続きマンションだけでなく不動産全般と業界の闇を探り、皆様にお届けいたします!