私は学生の時、金太郎飴の養成所のような学校の勉強より、多くの大人では出来ない人生経験に時間を費やしたため、とりあえず入った大学ではあまりのつまらなさに数回しか講義を受けず1年の早い時期に大学を辞めました。
自分の進路が定まらない中、家業である青果業を継ぐつもりでいました。しかし時はバブル直前。薄利多売で商品が売れ残ったら腐ってしまう青果業より、腐らない商品で売れたら大きな利益を得ることができる!と魅力的に見えた不動産業と出会い今に至ります。
私は宅建協会が運営する「ふれんず」の新規登録物件200~300物件を毎日欠かさずチェックし、日経新聞等を細部まで読み込みEvernoteに保存しています。この作業は約6時間を要しますがこれを最低限行う事は必要不可欠な事だと、日々のルーティンワークにしています。
この毎日のルーティンワークのおかげで、学歴のない高卒の私が東大出身の会員様や外資系の金融マンなど多くの知識層の方とも話が出来るようになりました。後悔と言えば、もう少し英語くらい勉強しておけば良かったと感じています。
私は負けず嫌いで超個性のある父譲りの気性が、今の堤エステートを創った気がします。そしてインターネットがなかったら、今の堤エステートではなく普通の不動産屋だったと思います。
今では九州の小さな個人の不動産業者の私に、はるばる遠方から会員登録したいとお客様が来てくれるようになりました。しかしこのホームページにたどり着かなければ、会うことすら出来ません。
今思うとネットを介して個の力があればビジネスは成り立つ時代の予感を感じ取ったのは1995年のWindowsの出現でした、2000年にIT企業を創業した時には、本当に今の世の中が見えました。そして振り返るとこの時が、人生の大きな分岐点だったと感じます。
ちなみに2000年当時に立ち上げたIT企業のwebデザイナーとして最初のスタッフだったのが今の妻であり、彼女には「今から全世界の人がテレビ局を持つ世の中になる」と口説いて入社してもらいました。当人は「そうなんですかー」という感じでしたが、多くの人の反応がそんな感じでした。
その頃から19年経った今、インターネットはなくてならないものになり、予想通りの世の中となっています。Youtube等で個人がテレビ局を持ち、SNSの出現により世界中とつながることができます。
そしてAIが台頭してきました。私の予想ではAI時代は個の時代になります。
今後、AI時代には事務など単純作業が淘汰されると言われています。多くの職業がAIにとって代わると言われますが、私はその原因の根幹は、個性をよしとしない出る杭は打たれる金太郎飴製造機のような日本社会と教育に問題があると思います。
神様と悪魔、悪と善は表裏一体です。悪いことあってこそ良いことを感じられる、これが私の持論です。環境に左右されることのない自分自身=個が強ければ可能性は無限大です。
不動産業者も同じです。私は日本にない不動産業の在り方を追求し、不動産価格の日々の動向、経済の動向、世界の動きを見ながら研鑽を重ねています。私のクライアントの職業は多様であり、お客様の要望をくみ取るには他業種の情報も知識も必要です。
不動産を売るだけとなってしまっている不動産業者は、組織の力とイメージ戦略によって大手不動産に集約されると以前から言われています。しかしそれでいいのでしょうか。
組織の力が不可欠と言われる業態(例えば街づくりや大規模建築等)ではない、個人に対するサービスは、プロとしてのスキル=個の力が強ければきっと輝ける事を私自身で証明していくつもりです。