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マンションの管理費・積立金

今回の時事放談ではマンションの管理費・積立金がテーマです。

毎日、私が更新している【パトふれくん】。福岡の宅建協会に加入している不動産業者が日々物件情報を登録しており、その情報を毎日チェックしながら、その日の注目物件をピックアップしていく人気コンテンツです。

販売目的の物件情報ではなく『プロの不動産業者が気になる物件を教える』という目的のため、物件情報のPDFには掲載元に不動産業者も付いています。

売却した物件の現在

ちょっと前ですが、毎日の物件情報をチェックする中、当社が平成20年に売主として売却した物件情報が登録されました。物件は市内ではありませんが実は結構人気のある糟屋郡篠栗町のマンションで、角部屋のお部屋は間取りも良い感じでした。

物件情報の価格も手頃ですが13年前に売却した時と比べてみようと思い、昔の資料をを引っ張りだしてみました。すると部屋番号から推測して同じ間取りの階数違いであることが分かりました。売却した価格を見ると予想通り物件価格は上がっていました。

13年前の2008年に私が売却したのが8階で1,750万円(30万円値引きしました)、今年の2月に登録されたものが3階で2,290万円。階数はだいぶん下にも関わらず価格は540万円も上がっています!まさにこれが物件のインフレ化です。

そして一番驚いたのが積立金が約2.7倍に値上げされていることでした。私が売却した物件は5,490円/月でしたが今年2月に売却された物件は14,700円/月になっていました。

2008年に当社が売却した物件PDF

2021年2月に掲載された物件PDF

13年の間に積立金を約2.7倍も上げているということは、ある意味このマンションは住民意識が高く将来のための備えをしているということでしょう。

このように今後マンションは修繕積立金の問題が顕著になってきます。実際に私が会員様の依頼で中央区で一二を争う人気エリアの築古マンションを案内したとき、そのマンションの修繕積立金の総額はなんと180万円!そして以前の大規模修繕時に恐らく資金が足らなかったのではないでしょうか、金融機関にそれなりの金額の借入まであったのです。

このようなマンションは建替えはおろか、今後の修繕もままならなくなるはずです。

修繕積立金の総額は物件内覧をしただけでは分からず、売主側の業者に修繕積立金総額の情報開示を要請しなくてはいけません。しかし売主側の業者も販売している時には総額を把握していない場合もあります。

修繕積立金の総額はそのマンションを管理している管理会社にて調査が可能ですが、この調査は有料になります。ここ最近、この「管理に係る調査報告書」も高くなり、1万円を超える場合がほとんどです。なので販売当初は取得していない不動産業者も多く見受けられるのです。

私はこの修繕積立金の総額はマンションを検討するうえで大きなチェックポイントと位置付けています。マンションは戸建てと違い、自分の意志だけで物件の修理や建て替えを行うことができません。ある意味、1つの建物を多くの人たちと共同で利用し生活しているため、自分だけではどうにもならない問題も出てくるのです。

将来を見据えて「修繕積立金をもう少し高くしておいた方がいいのでは?」と思い、管理組合の議題に挙げても、月々のランニングコストである修繕積立金の値上げを反対する人が多ければ、リスクを抱えたまま年数だけ経ってしまいます。マンション管理は合意に基づいて運営されるので、難しい部分があるのです。

驚きの金額

ここで私が最近見てきたマンションの中で、驚いた事例をご紹介します。物件名は伏せますが、市内の人気エリアで平成初頭築のマンション、価格は手頃で専有面積も近頃の新築マンションにはない100㎡近いお部屋です。

しかしこのマンション、総戸数は10戸に満たない一桁台、管理費は2万円台後半・積立金はほぼ4万円と毎月67,400円もかかるのです。価格が手頃で広さも魅力的、場所も良いので購入してしまうと維持管理に膨大な費用がかかってしまいます。

このようにマンションは総戸数も重要です。多くの戸数があると修繕積立金も多く貯まります。しかし戸数が少ないとかかる費用も少ない戸数で分担しなくてはいけないので、高くなります。

今後、このようなマンションは増加してくると思われます。そして売却もなかなか難しくなってくるのではないでしょうか。

管理費も要チェック

また管理費と修繕積立金のバランスも要チェックです。管理費は月々マンションの共用部分の清掃や電気代、エレベーターの点検代など維持管理や事務処理にかかわる費用です。そしてこの中には管理会社の利益も含まれています。

管理費が安すぎるのも気になりますが、管理費が異常に高いのは大問題です。時々見かけるのが管理費が何万円もするのに、修繕積立金が何千円、というマンションも実際にあります。このようなマンションは住民意識も低く管理組合の運営もうまくいっているのかな?と感じてしまいます。

マンションは「管理を買え!」とよく言われます。マンション管理の問題点はなかなか内覧をしただけでは分からない部分があります。現地を確認して外観・共用部の劣化がないか、清掃はきちんとされているか、共用部の張り紙や管理人さんの対応などもチェックをします。

また長期修繕計画はきちんと計画されているか、管理会社の見直しなどは行われているかなどのチェックも重要です。

マンションを買うということ

マンションは「鍵一つで外出でき防犯上も安心」と根強い人気があります。また都心での暮らしを希望するなら、戸建ては物件数も少なく価格的にも高額になるため、マンションを選択する方が多くなります。

だからこそ、価格や間取りだけで購入を決めず、様々なポイントをチェックする必要があります。不動産は住まいという暮らしの基盤となるものです。資産価値を毀損することなく、売却時にもスムーズに現金化できるような【富動産】を購入してください。

そのためにも私は当社の会員様が打診してきた物件でも、悪い部分がある場合には率直にお伝えして購入を止めるアドバイスをお伝えしています。それが【223スタイル】なのです。


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