新着くん誕生!に至るまで。
先日から新しいコンテンツとして更新スタートした『福岡宅建協会の不動産情報サイトふれんず』の新着オススメ物件情報:新着くん!堤エステートここ最近でオススメの目玉コンテンツです。
新着くんは、私が毎日行っている『ふれんず』チェックで気になった物件を会員様やお客様にお伝えしたいという目的で誕生しました。新着くんを見ることで、プロの不動産業者である私がどのような視点で物件を選定しているかをリアルタイムで確認してもらえるメリットがあります。
しかし新着くん更新に至るまでいろいろな経緯がありました。今回はこの経緯をお伝えしたいと思います!
私は宅建協会情報サイト『ふれんず』に新規登録される物件情報を全て毎日チェックしています。新着物件の確認方法は一般エンドユーザー用の『ふれんず』の『MYふれんず』というシステムを利用しています。これは検索条件を設定、希望条件と合致する物件が登録されたらメールで配信されるサービスです。このサービスは毎日お昼12時頃にメールが届くので、それを見て新しい物件情報を確認しつつ、市況の動向や不動産業者の動きもチェックしています。主要な地域の全ての種別を確認するので、結構な時間と手間を要します。
これは私が3年近く行っているルーティンワークです。手間と時間もかかりますが、一番ホットな情報とともに価格の動向や様々な不動産業者をチェックできるので、実務にも欠かせない業務をなりました。
当初は純然たる新規物件が配信されていました。しかし昨年の夏以降頃から、新着物件情報に新規でもない物件情報が氾濫しはじめたのです。
この新着物件としてメールで配信される物件は、新しく物件登録されたものです。しかし業者の中には、売りあぐねている物件で既に登録をしたものを一度削除して、新しく登録しなおす輩がでてきたのです!これをすることで、新着でも何でもない物件が毎日毎日新着物件として【NEW】マークが付き、メールで配信されるようになるのです!!
最初のうちは『業者も必死だな~。いろいろ考えるなぁ~。』という程度でした。しかし!他の業者もこのメリット(?)に気付いたのか、新規でもない新着登録物件がどんどん増えていったのです!!
それに伴い私の作業も大変なことに…!この新着メールは1つの検索条件に対して20物件の新着物件のURLリンクが張られて送られてきます。気が付くとこの新着メールの多くが繰り返し登録されている物件、つまり毎日毎日ほとんど同じ物件がくるようにになってきたのです。
そしてついに一般消費者でもある当会員様からも「ふれんずの新着メールには新着物件ではない物件が繰り返し配信されている」とのクレームが数多く寄せられてきたのです。
私は当初からふれんずを運営しているふれんす事務局に、ユーザーの声と共に、何度も登録を繰り返す悪質な不動産業者の取り締まりと、システムの改変を訴えてきました。このようなことを続けてきたら一般エンドユーザーは物件を探す際に『ふれんず』を利用しなくなるのではないか?それは結果的に宅建協会に属している我々不動産業者にとっても問題となるのではないか!と。
ふれんず事務局サイドもシステムの欠陥を認め、不正掲載を続ける業者への注意喚起を行うとの回答を得ました。その間に堤エステートが移転をしたため、宅建協会も東部支部から中央支部へ移り、面談が行われたのを機に中央支部にも同様の問題を提起しました。しかし面談をした役職の方は困ったような顔をするばかりでした。実はその中にも繰り返し登録をしていた企業もいたのです。
不動産業者の苦しい立場も理解できます。なんとか物件を売りたい…。しかし昔に比べて物件をアピールする場が減ってきています。新聞やチラシの効果はほとんどなく、オープンハウスを告知する立て看板も掲示できなくなっています。問合せやオープンハウスの来場者も減少しています。物件のアピールはインターネット頼みになっている現状を見ると、何度も登録をしてアピールしたい気持ちは分からなくもありません。
しかしこれは一般エンドユーザーからしてみると逆効果です。熱心に探しているユーザーは毎日同じ物件情報を見せられることにうんざりしているのです。
そうこうしているうちに不正掲載業者の数は増加していき、検索からはじかれる物件数が100件に及ぶ事態となりました。私はしびれを切らし2019年2月14日からふれんず事務局のM氏宛に毎日、新規物件で送られてくる物件数とその中の重複登録の物件数、そして悪質な業者名をメールで送ることに決めました。
毎日、300件近くの物件をチェックし、重複登録された物件をピックアップ、業者名を確認し、過去の履歴と突き合わせ物件情報のURLをメールに全て張り付けて、毎日毎日ストーカーのように送り続けました。
M氏もさすがに『これではいかん』と思ったのか、宅建協会と協議を重ねますがなかなか進みません。その間も毎日毎日メールと時には電話をかけ、惨状を訴えます。そして遂に6月24日にシステム改変が行われました。
今まで300件以上新着として配信されてきた物件数は激減し、6月24日は63件でした。これこそ一般エンドユーザーも望んでいた真水の新着物件です。新システム導入の滑り出しとしては上々のスタートですが、抜け道を探して不正掲載をまた行う事も想定し、宅建協会ならびにふれんず事務局には今後も情報管理の徹底をお願いします。
『ふれんず』の情報は私たち不動産業者にとっても一般消費者にとっても大事な情報源です。民間サイトのようなお金さえ払えば物件情報を掲載するというものではない、本当に必要とされるような物件情報の発信とシステムの質を高めることが宅建協会の責務ではないかと思います。
このような紆余曲折を経て皆が望む新着物件となった『ふれんず』の新着情報。毎日チェックすることで不動産力が増すこの情報を、を私のフィルターを通したオススメ物件情報として会員様やお客様に届けたい!そう思い、更新をスタートすることになりました。
新着くんはテスト的に公開して10回目になりました。この新着くんは毎日、物件情報をくまなくチェックするとこで配信できるコンテンツです。もちろん日によってはオススメの物件ばかり登録されるわけではありません。しかし様々な角度から見ると、物件毎にオススメできるポイントのある物件ばかりです。
単なる物件情報としてだけでなく、なぜこの物件を私が選んだのか?という視点で見てらうのも面白いのではないかと思います。