不動産時事放談|創業30年、不動産取引の新たなカタチ。

創業30年、不動産取引の新たなカタチ。

2020年の正月休み、仕事から離れ静かな環境で私が考えた問題点とこれからの新しい不動産業について数回に分けて発信したいと思います。


一般ユーザーが不動産を探す時はどうしてるのだろう?

・ネットで不動産情報サイトを見る
・TV、新聞、フリーペパー紙、折り込みチラシ
・ポストに投函されたチラシ

これらの不動産情報を見て、その情報元の不動産業者に連絡して物件を案内をしてもらい、気に入れば購入する…そんな流れが大半だと思います。

いろいろな不動産情報

では不動産情報に載っている物件はどこから来るのでしょうか?基本的には以下の2パターンが大多数です。

・不動産業者が買い取った物件を再販する。
・売主である個人や業者所有の不動産を仲介業者が仲介業務として販売する。

不動産業者が物件を広告して販売するのは反響を得て契約に結び付けることが目的です。不動産売買は成功報酬のため物件を売らない限り利益を得ることができません。不動産業は物件を契約して買ってもらうことを念頭においたビジネスモデルです。不動産を購入する一般ユーザーの知識は、当然ながらプロである業者に比べて劣る事が多く、価格についても無知であることがほとんどです。最近ではネットで不動産の知識や価格をある程度得ることも可能ですが、やはり業者に比べると大きな情報格差があります。

不動産業以外に目を向けるとインターネットが世界中に広がることで、アマゾンや楽天市場等の店舗を持たない企業が台頭、デパート等の実店舗は淘汰されてきています。また家電等を購入する時には、実店舗で確認した商品をその場では買わず、ネット通販によって店頭より安い価格で購入するショールーミングというやり方で同じ物を最安値で買う人も増えてきています。

一方、不動産は高額で何度も購入することは少ないもの。ならば本来は価格について深く調べることは大事なことです。しかし一般エンドユーザーは軽い気持ちで物件情報を掲載している業者に問合せをします。電話を受け取った業者にとっては、まさに鴨が葱を背負って来る状況です。業者は反響客にその物件を買ってもらうため、全力の営業トークで買いを煽ります。この不動産業界の販売手法の根本は、驚くことに私の創業時(2020年で創業30年)から変わっていないと感じています。

営業トーク全開の不動産業者

不動産は一般的な物品とは違い、基本的に同じものはありません。価格も均一ではなく相場より高くても一人の買い手が気に入れば売れてしまいます。また不動産の難しいところは、表面的には問題なさそうな物件でも建替える際に再建築できないものや、専門的知識じゃないと分からない問題を抱えたもの、過去に事件・事故が起きた事故物件というものもあります。

またマンションは総戸数が少ないと積立金不足に陥りやすく、積立金不足による修繕計画がままならず借入で補修するケースや、積立金を横領していた理事長も存在します。マンションデベロッパーは売ることを優先して将来の積立金不足問題など考えず、既に倒産しているところもあります。昨年、国がマンションの専有面積1㎡あたり約200円の積立金が必要と指針を出しましたが、個別性が強く各マンション毎によるところが多いのが現状です。これらのことは情報や知識がなければ分からずに購入してしまうかもしれません。

今後は積立金に不安のあるマンションも増加する

価格だけではない、購入してからでは遅すぎる問題があるかもしれない、それが不動産なのです。だからこそ不動産業者には不動産の知識とプロの力量が必要とされるのです。しかし残念なことに、ただの売り子になっている業者も多くいるのです。一本の問合せ電話で大きく変わる不動産購入、勧められた物件の価格は妥当なのか分かる人はどれくらいいるでしょうか?一般エンドユーザーが不動産業者に望むのは、自分たちの分からないことを教えてくれながら人生を豊かにするための住まいを購入することではないでしょうか。

売ることが全ての不動産業者のビジネスモデル。一番大事なのは消費者自身が正確な情報を得ることです。堤エステートは情報格差をなくした取引を推奨し今後の不動産業の在り方として広めていきたいと思っています。


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